8月の暑い日、
いつものように家のチャイムを鳴らして玄関のドアを開けると、
その日は
上がり框で坂下さんは笑顔で私を迎えてくれた。
『これが友達や』
坂下さんの手にはピカピカの靴。
『これですね、いつも話してくれるのは・・・』

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終戦直後、
就学義務が必要な年齢を超えていた坂下さんは、中学校への編入をすることなく、
小さな町工場で働くことにした。
休まず、休まず・・・・働いた。
10代最後の年齢で、
休まず働いて貯めたお金で、念願だった京都でも有名な洋服店で
洋服を仕立て、
京都でも有名な靴屋で
靴を買った。

工場長に3か月の休みをもらい、
仕立てた洋服とその靴で、日本全国を旅した。

当時、牛革が手に入ることなく、
現在では珍しくアウトソールに羊革が使用されている一品。
歩けば歩くほど、小さな石が食い込み、ソールは強固なものになるのが特徴だそうだ。
うーん、確かに凄く硬い。。。

『もう一度、この靴を履いて歩きたい』
*現在、リハビリ中!!!

あれから旅の友として、坂下さんの足を支えてきた靴は
60年たった今でも、色あせることはない。
私もそんな友(靴)と出会いたいものだ。

 

理学療法士 釘宮

*****文中の名前は仮名です。